ジーセの弁理士受験日記

弁理士合格に向けての記録を残していきます。重要条文・難解な条文の要件効果を図にまとめたものも掲載していきます。

大阪大学大学院の入試(院試)対策について


こんにちは、ジーセです。

 

またまた弁理士の勉強とは全く関係のない内容なのですが、おそらく世の中に知りたい人は多くて、現に私も昔は知りたかった大阪大学大学院の入試(特に工学研究科電気電子情報通信工学専攻)の対策法について書きたいと思います。

 

私は電気電子情報通信工学専攻について書くのですが、工学研究科というくくりでならごく一部の特殊な専攻を除けば他の専攻も大して傾向は変わらないと思います。(もしかしたら全然違う可能性もあるので、記事全体を通して参考程度にとどめておいてください。一番いいのは希望の専攻の学生と直接コンタクトをとることです。方法については後述)

 

1. 院試に偶然は無い

これが結論なのですが、院試に偶然はありません
必然的に受かるか、必然的に落ちるかのどちらかです。どういうことか、下の図も用いてご説明します。

f:id:supernova0807:20190920113929j:plain

一般的な学力試験の点数分布

こちらが一般的な学力試験(高校入試、大学入試、おそらく弁理士試験も)の点数分布です。正規分布に近い形をしており、倍率が2倍ちょっとだとしたら合否のラインは真ん中より少し高い側にあるはずです。

このような点数分布では、合否ライン(図中の黄線)の付近に多くの学生が入っており、1点の差で泣く人・笑う人が大勢現れます。偶然数学の解法が思いついたり、たまたま自分にとって分かりやすい英語の文章が出るだけで簡単に合否ラインを跨いでしまいます。

一方で、院試の点数分布はおそらく、私の観測範囲内から推測すると、

f:id:supernova0807:20190920114432j:plain

院試の点数分布(想像)


こんな感じになっていると思います。

山が二つあり、合否ラインはその間にあります。左側の山に入っている人は必然的に落ちるし、右の山に入っている人は必然的に受かるのです。ボーダー上にもたしかに学生は存在しますが、一般的な学力試験に比べるとその数は圧倒的に少ないはずです。
右の山の人がたまたま1点多く取れたからといって、左の山に入れるようなことはにありません。

※強調しておきたいのが、院試の点数分布は真実の点数分布とはおそらく異なるということです。受かりそうだなと5月の時点で思わせる学生は受かるし、ヤバそうだと思わせる学生は実際にほぼ必ず落ちるという現象から帰納的に推測するとこういうモデルがよく合致するというだけです。

どうすれば右の山に入れるか、というのが次に知りたいことになってくるわけです。

仮にみなさんが左の山に入っていたとして、やるべきことは

(1) とりあえずボーダーまで乗る

(2) 合格確実圏内(右の山)に入る

のふたつです。このふたつの方法をそれぞれ解説していきます。

2. (1)対策:1日に2時間でいいから勉強する

院試に落ちる人に間違いなく共通するのは、圧倒的に勉強時間が少ないということです。勉強時間を増やせというのは身もふたもないことなので本当はもっとテクニカルはことを書きたかったのですが、合格への究極の近道はとにかく1日2時間だけでいいので机に向かってペンを執ることだと思います。

勉強の開始時期ですが、内部生、すなわち工学部電気電子情報工学科に所属している学生は5月初旬くらいに始めれば十分だと思います。早いに越したことはないのですが、観測範囲内では5月に始めている人はみんな受かっているので4月に始められなかったからといって落ち込むことはないです。

外部生(電気電子情報工学科以外の学科に所属している阪大生、他大学の学生)の勉強の開始時期や方法については、3節で書きます。

院試の勉強を始めると、「○○研究室の××っていう人は院試1か月前から勉強始めて受かったらしいぜ」という話を腐るほど聞くことになります。しかし「1か月前から勉強を始めて受かった例がある」ということと「1か月前から勉強を始めたら十分受かる」ことは全くベツモノであると心得なければなりません。

安心して院試当日を迎えるためにはそのような都市伝説めいたものに惑わされることなく、1日2時間だけでいいので勉強する習慣を付けましょう。

内部生に関しては、5月初旬から1日最低2時間勉強を続けるだけで右側の山には入ります。外部生もおそらくボーダーには乗ります。

3. (2)対策:先輩とのコネクションを持つ

一方、外部生(電気電子情報工学科以外の学科に所属している阪大生、他大学の学生)は新年度が始まってから勉強を始めたのではたぶん遅いです。外部生と内部生の間に学力の差がそこまであるように私は思わないのですが、これも観測範囲から帰納的に考えると外部生のほうが1.5倍くらいの労力を掛けないと受からない印象です。よく聞くのは学部3年の9月や10月から勉強を始めていたという方ですが、遅くとも年明けとともに始めるのがいいのではないでしょうか。

この差を生んでいる原因ですが、決して内部生のゲタを履かせているというわけではなく、外部生のほうが内部生に比べて院試に関する情報にアクセスしずらいことに起因していると思います。

たとえば専門科目の「情報理論」では、学部2年のころの必修科目で使ったテキストの内容がほぼ確実に出るのですが、外部生でそのことを知っている人はいないでしょう。このような「内部生にとっては常識だけど外部生にとってはそうでもない」という事項の積み重ねが外部生の比較的低い合格率を生んでいるのでしょう。

なので、無駄な労力を省いて効率よく右の山に入っていくためにも、希望する研究室の学生とコネクションを持つのは必須です。

最初にコンタクトを取る方法としてはいろいろありますが、たとえばオープンキャンパスの際にメールアドレスを聞き出す、研究室の公式HPからメールアドレスを調べてそのまま送ってしまうなど、正直なんでもいいと思っています。

ですが、やはり一番おすすめなのはオープンキャンパスで対面で学生とコンタクトをとることです。学生としてもやはり多忙な方が多く、メールではおざなりに扱われてしまう恐れがあります。対面だとそもそも情報の伝達効率が圧倒的にいいですし、学生もオープンキャンパスのために時間を確保しているはずなのでおざなりに扱われることはありません(たぶん)。

また、メールアドレスを入手したあともそれだけで満足せずに、勉強の方針についてこまめにメールで相談するのがいいと思います。「こんな感じでやっていこうと思うんですがどうですか?」くらいでも全然OKなので、頻繁にメールを出しておくと内部生しかもっていないような情報も引き出せます。

内部生は2節を実践するだけでたぶん受かるのでこの3節は主に外部生向けに書きましたが、内部生も先輩にこまめに相談したほうがいいと私は思います。皆さんが分からなかったことは大抵数年前に先輩たちが分からなかったことです。ウンウン悩むのは15分くらいを限度にして、分からないことはどんどん聞きましょう。

4. おすすめの問題集(基礎科目)

どんな問題集を使えばいいか、というのは内部生も外部生も気になるところだと思います。個人的にオススメなのは、「弱点克服 大学生の○○」というシリーズです。

 

弱点克服 大学生の複素関数/微分方程式

弱点克服 大学生の複素関数/微分方程式

 

 

 

弱点克服大学生の確率・統計

弱点克服大学生の確率・統計

 

 

 

弱点克服 大学生のフーリエ解析

弱点克服 大学生のフーリエ解析

 

 このシリーズは大学1年レベル~阪大院試レベルまで網羅してあり、かつ解説が非常に親切なので私の知っている限りでは一番いいと思っています。

ちなみに、「複素関数」「微分方程式」「フーリエ解析」「ラプラス解析」は頻出なので、優先的に取り組むことをおすすめします。

次点で「微積分」「線形代数」「確率統計」「その他物理科目」だと思います。

5. おすすめの問題集(専門科目)

これは受ける研究室・自分の得意な分野にもよるので、内部生は先輩と相談して、外部生はメールor対面で自分にあったものを選ぶのがいいと思います。

 

いかがでしょうか。おそらく阪大の院試を受ける人にとって最低限のことは書いたのではないかと思っているのですが、もしかしたらまた追記するかもしれません。

受験生の方で、もし質問がございましたらいつでもコメント・メールしてください。