ジーセの弁理士受験日記

弁理士合格に向けての記録を残していきます。重要条文・難解な条文の要件効果を図にまとめたものも掲載していきます。

大阪大学大学院の入試(院試)対策について


こんにちは、ジーセです。

 

またまた弁理士の勉強とは全く関係のない内容なのですが、おそらく世の中に知りたい人は多くて、現に私も昔は知りたかった大阪大学大学院の入試(特に工学研究科電気電子情報通信工学専攻)の対策法について書きたいと思います。

 

私は電気電子情報通信工学専攻について書くのですが、工学研究科というくくりでならごく一部の特殊な専攻を除けば他の専攻も大して傾向は変わらないと思います。(もしかしたら全然違う可能性もあるので、記事全体を通して参考程度にとどめておいてください。一番いいのは希望の専攻の学生と直接コンタクトをとることです。方法については後述)

 

1. 院試に偶然は無い

これが結論なのですが、院試に偶然はありません
必然的に受かるか、必然的に落ちるかのどちらかです。どういうことか、下の図も用いてご説明します。

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一般的な学力試験の点数分布

こちらが一般的な学力試験(高校入試、大学入試、おそらく弁理士試験も)の点数分布です。正規分布に近い形をしており、倍率が2倍ちょっとだとしたら合否のラインは真ん中より少し高い側にあるはずです。

このような点数分布では、合否ライン(図中の黄線)の付近に多くの学生が入っており、1点の差で泣く人・笑う人が大勢現れます。偶然数学の解法が思いついたり、たまたま自分にとって分かりやすい英語の文章が出るだけで簡単に合否ラインを跨いでしまいます。

一方で、院試の点数分布はおそらく、私の観測範囲内から推測すると、

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院試の点数分布(想像)


こんな感じになっていると思います。

山が二つあり、合否ラインはその間にあります。左側の山に入っている人は必然的に落ちるし、右の山に入っている人は必然的に受かるのです。ボーダー上にもたしかに学生は存在しますが、一般的な学力試験に比べるとその数は圧倒的に少ないはずです。
右の山の人がたまたま1点多く取れたからといって、左の山に入れるようなことはにありません。

※強調しておきたいのが、院試の点数分布は真実の点数分布とはおそらく異なるということです。受かりそうだなと5月の時点で思わせる学生は受かるし、ヤバそうだと思わせる学生は実際にほぼ必ず落ちるという現象から帰納的に推測するとこういうモデルがよく合致するというだけです。

どうすれば右の山に入れるか、というのが次に知りたいことになってくるわけです。

仮にみなさんが左の山に入っていたとして、やるべきことは

(1) とりあえずボーダーまで乗る

(2) 合格確実圏内(右の山)に入る

のふたつです。このふたつの方法をそれぞれ解説していきます。

2. (1)対策:1日に2時間でいいから勉強する

院試に落ちる人に間違いなく共通するのは、圧倒的に勉強時間が少ないということです。勉強時間を増やせというのは身もふたもないことなので本当はもっとテクニカルはことを書きたかったのですが、合格への究極の近道はとにかく1日2時間だけでいいので机に向かってペンを執ることだと思います。

勉強の開始時期ですが、内部生、すなわち工学部電気電子情報工学科に所属している学生は5月初旬くらいに始めれば十分だと思います。早いに越したことはないのですが、観測範囲内では5月に始めている人はみんな受かっているので4月に始められなかったからといって落ち込むことはないです。

外部生(電気電子情報工学科以外の学科に所属している阪大生、他大学の学生)の勉強の開始時期や方法については、3節で書きます。

院試の勉強を始めると、「○○研究室の××っていう人は院試1か月前から勉強始めて受かったらしいぜ」という話を腐るほど聞くことになります。しかし「1か月前から勉強を始めて受かった例がある」ということと「1か月前から勉強を始めたら十分受かる」ことは全くベツモノであると心得なければなりません。

安心して院試当日を迎えるためにはそのような都市伝説めいたものに惑わされることなく、1日2時間だけでいいので勉強する習慣を付けましょう。

内部生に関しては、5月初旬から1日最低2時間勉強を続けるだけで右側の山には入ります。外部生もおそらくボーダーには乗ります。

3. (2)対策:先輩とのコネクションを持つ

一方、外部生(電気電子情報工学科以外の学科に所属している阪大生、他大学の学生)は新年度が始まってから勉強を始めたのではたぶん遅いです。外部生と内部生の間に学力の差がそこまであるように私は思わないのですが、これも観測範囲から帰納的に考えると外部生のほうが1.5倍くらいの労力を掛けないと受からない印象です。よく聞くのは学部3年の9月や10月から勉強を始めていたという方ですが、遅くとも年明けとともに始めるのがいいのではないでしょうか。

この差を生んでいる原因ですが、決して内部生のゲタを履かせているというわけではなく、外部生のほうが内部生に比べて院試に関する情報にアクセスしずらいことに起因していると思います。

たとえば専門科目の「情報理論」では、学部2年のころの必修科目で使ったテキストの内容がほぼ確実に出るのですが、外部生でそのことを知っている人はいないでしょう。このような「内部生にとっては常識だけど外部生にとってはそうでもない」という事項の積み重ねが外部生の比較的低い合格率を生んでいるのでしょう。

なので、無駄な労力を省いて効率よく右の山に入っていくためにも、希望する研究室の学生とコネクションを持つのは必須です。

最初にコンタクトを取る方法としてはいろいろありますが、たとえばオープンキャンパスの際にメールアドレスを聞き出す、研究室の公式HPからメールアドレスを調べてそのまま送ってしまうなど、正直なんでもいいと思っています。

ですが、やはり一番おすすめなのはオープンキャンパスで対面で学生とコンタクトをとることです。学生としてもやはり多忙な方が多く、メールではおざなりに扱われてしまう恐れがあります。対面だとそもそも情報の伝達効率が圧倒的にいいですし、学生もオープンキャンパスのために時間を確保しているはずなのでおざなりに扱われることはありません(たぶん)。

また、メールアドレスを入手したあともそれだけで満足せずに、勉強の方針についてこまめにメールで相談するのがいいと思います。「こんな感じでやっていこうと思うんですがどうですか?」くらいでも全然OKなので、頻繁にメールを出しておくと内部生しかもっていないような情報も引き出せます。

内部生は2節を実践するだけでたぶん受かるのでこの3節は主に外部生向けに書きましたが、内部生も先輩にこまめに相談したほうがいいと私は思います。皆さんが分からなかったことは大抵数年前に先輩たちが分からなかったことです。ウンウン悩むのは15分くらいを限度にして、分からないことはどんどん聞きましょう。

4. おすすめの問題集(基礎科目)

どんな問題集を使えばいいか、というのは内部生も外部生も気になるところだと思います。個人的にオススメなのは、「弱点克服 大学生の○○」というシリーズです。

 

弱点克服 大学生の複素関数/微分方程式

弱点克服 大学生の複素関数/微分方程式

 

 

 

弱点克服大学生の確率・統計

弱点克服大学生の確率・統計

 

 

 

弱点克服 大学生のフーリエ解析

弱点克服 大学生のフーリエ解析

 

 このシリーズは大学1年レベル~阪大院試レベルまで網羅してあり、かつ解説が非常に親切なので私の知っている限りでは一番いいと思っています。

ちなみに、「複素関数」「微分方程式」「フーリエ解析」「ラプラス解析」は頻出なので、優先的に取り組むことをおすすめします。

次点で「微積分」「線形代数」「確率統計」「その他物理科目」だと思います。

5. おすすめの問題集(専門科目)

これは受ける研究室・自分の得意な分野にもよるので、内部生は先輩と相談して、外部生はメールor対面で自分にあったものを選ぶのがいいと思います。

 

いかがでしょうか。おそらく阪大の院試を受ける人にとって最低限のことは書いたのではないかと思っているのですが、もしかしたらまた追記するかもしれません。

受験生の方で、もし質問がございましたらいつでもコメント・メールしてください。

弁理士を志した理由

こんにちは、ジーセです。

弁理士の勉強をしていると誰かに話すと、体感8割の人は「便利士?何でも屋さんになるの?」という反応が返ってきます。いやいやこういう仕事で、と説明すると今度は「なんでそんなことしようと思ったの?」と聞かれます。

 

そういえばなんでだろうと、自分の中でも明確に言語化できなかったので、ブログに書き起こしつつ脳内の棚卸をしようと思います。

1. 突出した才能が無い

私は幸運なことに非常に優秀な友人たちに恵まれており、何かで一番になったことはほぼありません。競プロ黄色レーターや毎日16時間楽しく研究して国際学会にもバンバン出る人など、僕なんかは天地がひっくり返っても届かないような天才に囲まれて生きてきました。

ただ、人間として生まれてきたからには「この仕事は自分にしか出来ない」と言える何かを持って死にたいじゃないですか。それが比較的マイナーであろう弁理士という資格に目がいった理由でひとつだと思います。逃げだと言われてしまえばそれまでかもしれないんですけどね。

2. 上の下レベルのミニスキルは結構ある

一方で、「ナンバーワンにはとてもなれないけど、まあその気になればこのスキルで食っていけるだろう」という上の下レベルのミニスキルには結構恵まれていると思っています。たとえば帰国子女で英語がちょっと得意だったり、阪大大学院で身に着けた研究能力があったり、5年ほど勤めたスポーツクラブのインストラクターのアルバイト経験から得た指導力・営業力だったり…。

英語はペラペラでもないし、研究所に勤められるほど研究能力があるかは微妙だし、インストラクターも所詮バイトだったので、各分野において自分より上を行く人は本当に大勢います。しかしこの3つを同時に持っているとなると、それなりにレアかな?と自分では思っています

3. ミニスキルと弁理士の相性が良かった

英語能力・理系の素養・営業力(コミュニケーション能力)は弁理士の業務をこなす上で重要だという言説はよく聞きます。弁理士としてならそれなりに活躍できるんじゃないか!?というのが弁理士の勉強を始めたきっかけになります。

4. 知的財産法の法目的に惹かれた

ここからはスキルの話ではないんですが、法律という一見すると産業とは遠いものを通して「産業の発展に寄与すること」にすごくロマンを感じたんですよね。

もともと"AI (Artificial Intelligence)"とか"VR (Virual Reality)"とかそのようなキャッチーで表面的な技術よりも低レイヤーの技術に魅力を感じる性格でして、現在も無線通信と光ファイバ通信の研究をしているのですが、知財にも似たような何かを感じました。

AI技術がスゴイのは誰の目から見ても明白なのですが、この世のあらゆる情報システム的な何かの基盤には「通信」があるわけです。

それと似たような感じで、華々しい、我々の生活を直接的に便利にしてくれている産業も、その根っこは法律によって固められているんだなぁと弁理士について初めて調べたときに感動したことを覚えています。

 

こんなものでしょうか。やはり文字に起こすと自分の考えが整理される気がします。

今後も精進してまいります。よろしくお願いいたします。

知財検定は就職活動においてどれだけ価値があるか?

こんにちは、ジーセです。

本稿では、私の聞いた話と体験に基づいて、知的財産管理技能検定(3級・2級)が新卒の就職活動において発揮する効果の程について書いていきます。

あくまで私の見聞きした範囲内でのこと・私が考えたことを書くので、例外は多々あると思います。ご了承ください。

 

結論を書いてしまうと、少なくとも2級までは"持っていたら多少の得点になるかもしれないけど、採用の決定打になるような資格ではない"と考えています。

 

1. 特許事務所における知財検定の価値

私自身はいろいろあって知財検定2級を持っているのですが、とある大きめの特許事務所に見学しにいったときに「知財検定2級ってどういうレベルなんですかね?」と担当してくださった先生に伺ったところ、その事務所の事務員さんたちは2級を標準的に取得しているとのことでした。2級だと知財を実際に扱うにはちょっと足りないかな?ともおっしゃっておりました。

すなわち、事務員さんとして入所面接を受けに行くならともかく、弁理士見習いとして受けに行くのに「知財検定2級持っています ⇒ だからいつでも知財の実務をする準備はあります」という論理展開はかなり無理があるだろうと感じます。

そもそも新卒で特許事務所に入所するというキャリアパターン自体が稀ではあるようですが、もしエントリーシートの自己PRに「私が学生時代に最も力を入れたことは知的財産法の勉強です。その結果として知財検定2級を取ることができました」的な内容を書くのはだいぶ押しが弱いのではないかと思います。

 

2.その他の企業における知財検定の価値

私の友人の中では、知財検定3級を持ちながら箸にも棒にもかからず最終的に中小企業の法務に就職した人もいれば、知財の知識はほとんどないけどソニー知財部に内定を貰った人もいます。サンプル数があまりに少ないので、ここから「知財検定は持っていても意味がない」と結論付けるのは尚早ですが、少なくとも新卒市場においてはこんな感じの傾向があるんじゃないかな~~と想像してはいます。

私自身も就職活動中のエントリーシートの資格欄に知財検定2級は書いておきましたが、それについて「えっ、知財検定持ってるんだ!」という形で触れられたことは最後までありませんでした。

上記しましたが、自己PRやいわゆるガクチカでは知財検定には触れず、「~~以上の理由から知財部を志望します。ちなみに知財検定は暇だったので取りました。」くらいのスタンスが一番いいんじゃないかな~と思います。

 

新卒の就活性へ

もしも将来的に知財に携わって仕事をしたいと考えている現在就職活動中の方がこの記事を見ていたら、知財検定なんか取らないで最初から弁理士の勉強をすることをおすすめします。たぶんですが、就活の面接において「知財検定2級を持っています」より「弁理士の勉強をしています」と言ったほうが高い山を目指してる感があって好印象ではないかと思います。弁理士の勉強を始めたあとで「やっぱりなんか形として持っておきたいかも」と思ったらその時に知財検定を受けたらいいと思います。弁理士の難易度が100だとしたら知財検定2級は5くらいなので、すぐ取れます。

 

以上です。余談ですが知財検定2級をとるためには3級も受ける必要があり、公式テキストと受験料の合計でたしか4万円くらいするはずです。なんであんなに高いんだろう。

【図解こんなかんじ】商標権の移転の制限・実施権の許諾の制限

 

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・「公益に関する団体(24-2(2))」と「公益に関する事業24-2(3)」で移転できる要件が異なること

・団体商標は専用実施権が設定できること

地域団体商標は専用実施権は設定不可であるが通常実施権は設定可能であること

あたりが注意するべき事項でしょうか。

 

【追記】根拠条文を併記しました。今後できるだけ根拠条文付きで図を載せてまいります。

使用している文房具の紹介

受験生にとって文房具は快適に勉強する上で最も重要な要素のひとつではないでしょうか。少し前にツイッター上でボールペン談義があったので、私の使っている文房具の紹介&オススメをしたいと思います。

筆記用具

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筆記用具

筆記用具はこの6本で固定されています。サラサ×1本、フリクションボールペン(黒)×1本、フリクションカラーズ×4本ですね。

個人的には、一画の最初からドバッとインクが出て、かつ文字の濃淡が現れにくいタイプのボールペンが好きで、サラサを愛用しています。ジェットストリームやアクロボールは文字に濃淡が出てしまうのでちょっと苦手です。

サラサの速乾バージョン(サラサドライ)も好きですが、前回5本くらいまとめ買いしたとき、うち3本はインクがすぐにカスカスになってしまう不良品?だったので、信頼性重視でノーマルサラサを使い続けています。

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サラサに比べてフリクションボールペンは色がグレーなのでなんだかモヤモヤします。フリクションは肉眼で見るとより薄く見えます。

フリクションボールペン(黒)は教科書や条文集に書き込むときに使っています。書き込みをフリクションで統一しておけば、「あ~~なんか書き込みしすぎてグシャグシャだな。新しい本買いたいけど高いしな~」という時に、電子レンジにブチ込めば一発で新品に戻るのでオススメです。

フリクションカラーズは、マーカーというよりは本当にただのカラーペンという感じです。4色は、ピンク:注意すべき主体要件緑:客体・時期・手続的要件赤:効果青:ただし書・例外というふうに使い分けています。主体・時期・手続・効果で色を分けろ!という派閥が最大勢力かと思いますが自分にはあってないなァと思いました。特に、ただし書は独立した色で付けるのが私は好きです。

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特44条 分割出願の見開き カラフルになりすぎないようにペンを引いているつもりですが、どうしてもゴチャりますね

筆箱

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筆箱

筆箱はこんな感じの、1000円くらいのやつを使っています。外から中身が見えるだけでペンを持ち帰るときのストレスがかなり減ります。

定規、シャーペン、消しゴム、修正テープ、ハサミなどは基本的に入れません。たしかに使いたくなる場面はあるわけですが滅多にはありませんし、モノがいっぱい入っていると思うようにペンが取り出せなくなるのでプラマイマイかな~と思います。

ノート

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大人のキャンパスノート

ノートは大人のキャンパスノート(A4サイズ)を使っています。普通のキャンパスノートの倍くらい?値段はするのですが、下敷きをしかなくても筆記面の裏がボコボコにならない、見開きの左右のページの間がペターっと開ききるというところが好きでかれこれ2年くらいはこれしか使っていません。

多いときは週に1冊くらい(少ないときは2月で1冊くらい?)消費しますが、400円程度で快適な筆記ライフが手に入るので全然惜しくないですね。

 

以上です。大学4年くらいまではいろいろ使ってみたのですがここ2年くらいはこの手持ちで安定してきたので、これが自分の中の(局所的)最適解なのかな~と思います。

 

みなさまのおすすめ筆記用具もよろしければご紹介ください。